おすすめの私立学校紹介「ヴェリタス城星学園高等学校」
記事更新日 2024.10.04

おすすめの私立学校紹介「ヴェリタス城星学園高等学校」

「柔らかくて和やかな空気感」で生徒を育む

──貴校ではどのような理念を大切にしているのでしょうか。

麻野理事長 私たちの設立母体である「サレジアン・シスターズ」はイタリアに本部を置く女子修道会で、創設以来大切にされている理念は「柔和」、そして「謙遜」です。学校運営でも「柔らかくて和やかな空気感を、先生・生徒らの間で共有しながら過ごすこと」をめざしています。

古屋学園長 そんな校風のなか、生徒が「私は幸せ」と胸を張って言えることを願っています。そのためには「自分が存在していること自体が幸せである」という本質的な自己肯定感を身につけることです。揺るぎない自己肯定感があれば生徒は自ら学び、自分の価値観で生き方を選び取れますから。

 

探究心を高め、人間力を育む『学びの森』プロジェクト

──現在の教育への具体的な取り組みを教えてください。

麻野理事長 学園の高等学校は2022年から校名を「ヴェリタス城星学園高等学校」と改め、週5日制・2学期制となり、カリキュラムを再編成して新たなスタートを切りました。

古屋学園長 従来の詰め込み型の学習から探究型の学びへと軸足を移しました。その柱となるのが『学びの森』プロジェクトです。春学期と秋学期の半年ごとに20以上のテーマを用意し、週4時間を充てています。

麻野理事長 『学びの森』は教員の趣味や得意分野を活かした講座だけでなく、大学や企業・NPOとの連携講座など幅広い選択肢を用意しています。たとえばアフリカのマラウイ共和国で学校給食の支援に取り組むNPO法人の方に来ていただいて、当地のコーヒー豆を国内流通させて売上を全額寄付するコーヒードネーション。また東京農業大学の北海道オホーツクキャンパスと連携したプロジェクト型研修「オホーツク学」では、地域の漁業や農業などについてフィールドワークを通じて学びます。

古屋学園長 人前で話すのが苦手な生徒が、ミュージカルなどにチャレンジする「ミュージックファンタジー」という講座を選び、大きな舞台で歌う姿に感動しました。大きな飛躍ですよね。ほかにも外部の大人から自分の好きなことを肯定されて目を輝かせる生徒など、『学びの森』では各自の興味・関心を見つけて可能性を引き出す、本当の意味での探究になっていると実感しています。

学びの森

 

生徒や教員、保護者が支えあう「サレジアン・ファミリー」

──学校の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。

麻野理事長 私たちは教員や職員、生徒やその保護者など学園に関わるすべての人を「サレジアン・ファミリー」と呼んでいます。イタリア的な価値観で、「縁のある人はみな広い意味での家族であり、支えあってともに生きていきましょう」というものです。

古屋学園長 もちろん家族にはいろんな人がいて、時には問題も起こります。それを受け止めるのも家族。だから教員も完璧でなくてもいいんです。

麻野理事長 当校では幼稚園児、小学生、高校生が同じ敷地で学び、遊ぶ。この環境から受ける刺激も多いでしょう。校園の枠を超えた交流ができるのも特徴です。高校の教員が小学校で教えたり、その逆もあります。資格を所有していれば、幼稚園と小学校での教員の行き来の可能性もあります。さらには、学童保育や学園が運営するスイミングスクールも含めて、学園全体をひとつの舞台として多様なキャリアの可能性が広がっています。

看板

 

学園全体で学びながら、教員のサポート力を高めていく

──教員に対する研修やキャリアッププログラムなどはあるのでしょうか。

麻野理事長 本年度、各世代が抱える課題に対応するために、スペシャリストの方々から学園教職員が直接助言を受けながら、生徒らへのサポート力を高めていくことを目指して『ドン・ボスコ子ども未来センター』を設立しました。今後、その勉強会では、教職員からの提案にもとづいて講師をお招きする方針です。また、教職員の自主性を尊重して、勉強会への参加は自由にしています。

──城星学園の教員にとって、大切なマインドとはどのようなものでしょうか。

古屋学園長 失敗を恐れないことですね。すべてに正解を出せなくてもいい。弱音を吐いてもいい。そして自身の人生経験を生徒に積極的に話して欲しい。今はAIが進化していますが、自分の経験を語ることは人間にしかできません。「失敗や挫折しても、いいことがある」という体験談は、きっと生徒の心に響くはずです。同時に教員は生徒の人生のひとかけらに触れる尊い経験をしているのだから、その瞬間を大切にしてほしいですね。

──他業種から転職された方はいらっしゃいますか。

麻野理事長 当校には韓国語の通訳をしていた方など、他業種から教員になった方は何人も在籍しており、社会人経験を持つ方は大歓迎です。私も大学卒業後には一般企業に就職しました。企業ではチームを意識して、広い視野に立って仕事に取り組むことが求められますが、教員は自分のクラス=自分の世界への意識が先立つ傾向があります。学年や学園全体を動かしていくという点において、こうした社会人経験は大いに役立つはずです。

 

2025年度、共学へ。しなやかに進化を続ける

──2025年度から、いよいよ高校の共学化がはじまります。ここからどういう未来を描いていますか?

麻野理事長 多様な生徒が数多く集うようになることで、お互いに刺激し合いながら新たなヴェリタス城星学園高等学校をつくりあげていくことでしょう。共学化にあたっては強化クラブを設け、アスリートとしてスポーツに真剣に向き合う生徒も応援していきます。

古屋学園長 動き始めたことで多くの出会いがあり、今まさに門が開かれた、そんな空気に包まれていますね。設立母体であるサレジアン・シスターズも変革を続けています。同じように私たちも時代を見つめて、建学の精神を堅持しながら複雑化する時代に合わせ、しなやかに、力強く生き抜いていく人を育成していきたいと考えています。

──進化し続けるために、今後どのような教職員を必要としていますか。

古屋学園長 私たちは目に見える成果を求めていません。成果や評価でとらえると教員も縮こまり、今度はそれを生徒に課すことにつながります。個人はそれぞれに役割があって、自分が輝ける場所を見つけることが大切。そうすれば豊かな社会に変えられると信じています。また「自分で考える人」を育てていくうえで教員も同じ目線を持ち、生徒・児童・園児らから学ぶ柔軟な姿勢も必要です。

──最後に教員を目指す人にメッセージをお願いします。

麻野理事長 本来、教育はもっと自由であっていいはず。失敗してあたりまえ、経験を積み重ねながら成長していくのが理想の姿。10代の生徒にとって、教員は親の次に身近な「大人の標本」です。ありのままの個性をさらけ出すことで、生徒は刺激を受けます。ですから失敗を恐れずのびのびと働き、その過程で人として成熟していただきたいですね。

学校法人城星学園 理事長 麻野 博司先生

学校法人城星学園 学園長・ヴェリタス城星学園高等学校 校長 古屋路子先生

 

#プロフィール
麻野 博司(あさの ひろし)
学校法人城星学園 理事長
「30年余りにわたって教育に携わってきましたが、
今、総仕上げの時期を迎えたと感じています。
教育環境の加速度的な変化の中で、
そこから生まれるグルーヴ感を満喫したいと思います。」

古屋 路子(ふるや みちこ)

学校法人城星学園 学園長・ヴェリタス城星学園高等学校 校長
#学校INFO
ヴェリタス城星学園高等学校
女子校・2025年度より共学化
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【系列校】
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