ICT支援員
記事更新日 2024.10.20

ICT支援員

ICT支援員とは

ICT支援員は小・中・高等学校においてICT環境の整備や活用のサポートを行う専門スタッフです。正式名称は「情報通信技術支援員」と言い、2021年の学校教育法施行規則の改正により、スクールカウンセラーなどと並ぶ学校職員のひとつとして位置づけられました。

 

ICT支援員の仕事内容

授業支援

授業で使用する教材の準備や教材の印刷・配布、ICT環境の運用管理(機器の棚卸し・日常的な機器のメンテナンスなど)、アカウントの年次更新を行います。
授業をスムーズに行えるよう、使用するICT機器・ソフトウェアを準備したり、ICTを使う授業にT2として参加したり、授業後にICT機器の後処理を行ったりします。
また、ICT機器や学習アプリなどの使用方法がわからない児童生徒に対して直接使用方法をレクチャーすることもあります。

校務支援

授業以外の学校運営に関わる校務支援も行います。校務で使用するソフトウェアのインストールやデータのバックアップ、学校HPの更新などのサポートを行います。
学校は児童生徒や教師の個人情報が一括管理されているため、個人情報の保護に気を付けながら校務支援を行うことが求められます。
ICT支援員が児童生徒や教員のアカウント情報に触れることは原則として禁止されており、特に校務支援システムは、児童生徒の詳細な情報が登録されているため、ICT支援員は操作できず、個人情報に関わるアカウントの登録や管理は、先生もしくは管理職の先生が行う必要があります。
学校や自治体でセキュリティルールが確立されていて、ICT支援員の雇用契約にもルールが明記されている場合はアカウント登録などが可能となります。

環境整備

ICTが快適に使えるように環境を整える支援も行います。授業前後の機器チェック・メンテナンス、授業や行事の際の機器設置・設定および片付け、故障機対応などを行います。
また、ネットワーク関連の環境整備についても、学校全体で安定してネットワークを活用できるよう、遅延や障害が頻発するようであれば、第三者機関にネットワークを調べてもらい、原因を突き止め対策を行います。

校内研修

ICTに関する校内研修もICT支援員の仕事です。ICT端末や機器の使用方法や学習アプリの使用方法を先生方に研修したり、児童生徒向けに学習アプリの使用方法や情報モラルについての研修を行ったりします。

 

ICT支援員のやりがい

ITに関連する仕事はデスクワーク中心のイメージがありますが、ICT支援員は直接教師や児童生徒と関わり、支援できる仕事です。
自分の専門性を生かして、ICT担当の教師と共に学校内のICT環境の整備や校内研修の企画・実施を行う中で、学校のよりよいICT環境整備に貢献することができます。
自分の支援に直接感謝されることや、教師や児童生徒に喜んでもらうことによって、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

 

ICT支援員になるには

ICT支援員になるために必須な資格はありません。また、教員免許も必要ありません。しかし、「ICT支援員認定試験」を受験し、ICT支援員の資格を取得することは高いITリテラシーやICT機器の基本的な使用スキルを証明することができるため、採用される際にも大きなアドバンテージとなります。
「ICT支援員認定試験」は、年2回春と秋に実施されます。A領域(実践的知識)とB領域(問題分析説明力)の2つの領域で構成されており、ICTに関する知識と学校や教育に関する知識に関する問題が出題されます。
2019年からはICT支援員上級認定試験もスタートしました。受験の条件は、ICT支援員に高得点で合格してから4年以内かつ、ICT支援員として2年以上の実績があることです。ICT支援員認定者のなかでも特に優秀でより高いレベルの支援を行いたい人が取得する資格となっています。
資格を所持していない場合は、高いITリテラシー、基本的なICT機器の使用スキル、対面コミュニケーションスキル、児童・生徒や教師のICT活用をサポートする能力があることが求められます。
雇用形態は、自治体や学校から嘱託職員として直接採用される場合と、業務委託としてICT支援員を斡旋する委託業者に登録し、自治体や学校側から依頼があった場合に派遣される形で勤務する場合の2通りがあります。
ICT支援員の役割は、ICTを活用するためのサポートがほとんどです。そのため、人をサポートすることが得意な人が活躍できる仕事とも言えます。児童・生徒や先生のICT活用をサポートすることに、やりがいや楽しさを感じられるような人が向いているといえるでしょう。

(作成:お仕事ジャーナル編集部S)

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