学校のお仕事図鑑「進路指導の仕事」
記事更新日 2024.06.25

学校のお仕事図鑑「進路指導の仕事」

進路指導とは

進路指導とは、生徒が将来の目標や進路を選択することをサポートする仕事です。
クラス担任が中心となって行うことが多いですが、中学校や高校では校務分掌の中に進路指導部があり、進路指導部の教員は、進学や就職に関する様々な情報を収集・整理し、各クラスの担任の先生が活用できるようにしています。また、進路指導計画を作成し、学年ごとに、段階を踏みながら進路指導を行っていきます。

進路指導はキャリア教育に含まれます。生徒がどこに進学すべきか、就職すべきか、といったことを一緒に考えるとともに、生徒が目標達成をするために必要なスキルを育成することも進路指導に含まれます。

※キャリア教育
生徒1人ひとりの社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てることを通して、キャリア発達を促す教育。

 

進路指導の種類

進路指導には大まかに次のような仕事があります。

進路情報の収集・管理・提供

進学する高校、大学、専門学校や就職の情報を取りまとめて他の職員に情報を共有します。

  • 各種資料(大学受験要項・説明会募集案内など)の整理・生徒配布
  • 大学、短大、専門学校などの入試広報担当者の来客対応
  • 指定校情報の管理

 

進学・就職指導

進学や就職の直接的・間接的サポートをします。

  • 大学入試共通テストなどの出願書類提出補助
  • AO・推薦入試指導(面接・小論文・志望理由書・集団討論・プレゼンテーションなど)
  • 校内推薦会議の実施
  • 受験報告書の作成指導、管理

 

学力向上

生徒の学力を伸ばすために、様々な対策を行います。

  • 春季、夏季、冬季講習の計画
  • 個別学習指導や特別講習の取りまとめ
  • 模擬試験の実施と分析

 

進路行事の計画・運営

進路決定のための進路行事を計画・運営します。

  • 進路オリエンテーションの計画と実施
  • インターンシップの計画と実施
  • 進路情報取扱業者との連絡
  • 大学分野別説明会の計画と実施

 

就職

就職に関する外部との連携や情報のまとめを行います。

  • ハローワークとの連携
  • 求人票の管理
  • 就職試験、面接対策指導
  • 職場見学

 

進路指導のポイント

教師は生徒の進路実現のために情報収集の仕方を伝えたり、目標設定に関するアドバイスを行ったりなど様々なサポートを行います。最終的には「生徒が自分自身で意思決定ができる」ように指導していくことが重要です。
生徒自身が意思決定し、進路を実現していくためには1人ひとりの目標や希望を明確にし、進路の実現に向かって生徒自身が計画的に準備・実行していけるようにサポートする必要があります。
そのためにも、教師は、過去の入試データや今年度の募集要項といった進路についての情報や、生徒の自己評価、学習状況、進路希望記録など個人についての情報、学校説明会・入試相談の情報などを生徒に伝え、生徒の進路選択を促します。
三者面談では、生徒、保護者双方の希望をよく聞きながら、方針をまとめていきます。進路決定は生徒の希望が最優先です。しかし、生徒や保護者の情報不足によって適切な進路決定ができないことも考えられます。教師の助言によってより良い進路を選択できる可能性があるため、教師が進路に関して幅広い視点で情報を集めておく必要があります。
生徒が自分の進路をはっきりと定められたら、実現のための計画も具体的に考えさせます。教師は必要に応じて進捗を管理し、確認します。生徒が自らの目標を諦めてしまうことがないよう、こまめに声を掛けて、励ますことも重要です。

 

これからの進路指導

現代社会は人口減少、グローバル化の進展、絶え間ない技術革新などによって社会構造や雇用環境が大きく・急速に変化する時代となり、生徒たちが将来の見通しを立てるのが難しい時代にもなっています。このような時代の中でも、生徒1人ひとりが、社会の変化に受け身で対応するのではなく、主体的に向き合って、自分の可能性を発揮していけるような進路指導・キャリア教育が求められています。
そして、人生100年時代と言われている現代においては、大学合格をゴールとするのではなく、もっと先の未来までを思い描いて自己実現をしていける人を育てることが大変重要です。これからの進路指導は進学や就職などの狭い意味の進路指導ではなく、生徒の人生を長期的に考えてキャリア教育を行ってく必要があると考えられます。変化の激しい時代にも対応できるようなスキル・能力を育成することも進路指導の大きな役割になってくるでしょう。

 

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