私学のユニーク先生インタビュー「獨協中学・高等学校 平 夏樹先生」
記事更新日 2024.03.08

私学のユニーク先生インタビュー「獨協中学・高等学校 平 夏樹先生」

実際に私学で働く先生に、お話をお伺いするコーナーです。
今回は、獨協中学・高等学校 平 夏樹先生に、現在のお仕事のやりがいや面白さ、ご自身のキャリア形成について、お話を伺いました。

6年かけてじっくりと自分の興味が見つかる獨協

――貴校の特徴や生徒さんについて教えてください。

平先生 中高一貫の男子校なので、異性の目がないところで6年間のびのびと過ごし、それぞれの生徒のペースで好きなことに取り組んだり、成長したりしていける環境です。
また、中1でネイティブの先生たちと過ごす国内ミニ留学から始まり、中3から希望者はドイツやイギリスなどの海外研修、高2の修学旅行はハワイと、学校在籍中に気心知れた仲間たちとさまざまな体験ができるのが魅力です。

――一緒に働いている先生方はどんな雰囲気ですか。

平先生 先生と生徒の距離も近いですし、先生同士もそれぞれの専門分野を持ちつつも、互いにコミュニケーションを取り、繋がりがあるので、とても雰囲気がいいです。職員室にも常に生徒が質問や相談に来ますし、卒業生もよく顔を出してくれます。
ここ数年、獨協には若手の先生が続々加わり、20代、30代が増えています。50代のベテランの先生方も若手の意見を柔軟に受け入れ、汲み取ってくださるので、とてもいいシナジーが生まれていますね。

 

銀行員から教師への転職

――教師になる前はどのようなお仕事をしていましたか。

平先生 新卒で銀行に就職し、支店の窓口でお客様に金融商品の案内や説明などをしていました。大学に進学したときには数学の教師になりたいと思っていたのですが、大学では当時は金融機関に就職する人が多く、徐々に自分もその方向に興味を持ち、就職活動をするようになりました。人とコミュニケーションを取るのが好きなので、お客様とのやりとりは楽しかったです。

――教職へと転職したのはなぜですか。

平先生 銀行では1対1のコミュニケーションがメインです。しかし、教師は1対複数の生徒たちとのやりとりなので、その中で生まれてくるものも大きいのではないかと思ったのです。教えることも好きなので、前からなりたかった教師に改めて挑戦しようと思いました。

――前職から全く異なる教職への道のりは、どのように乗り越えましたか。

平先生 退職して教師になろうと決めてからはいろいろ調べて、教職のための足りない単位を取得できる工学院大学の教職特別課程(現在は募集停止)に1年間通いました。
教育実習は、母校の中高一貫男子校で3週間行いました。多くの人が大変だという教育実習も、私は楽しくて仕方なかったですね。

 

2度目の就職活動で重視した“学校との相性”

――学校の転職活動はどのように行いましたか。

平先生 新卒の時に経験していたので、学校探しは人生2度目の就職活動でした。
もちろん緊張はしましたが、新卒の時はネームバリューや福利厚生などを見て会社を選び、会社に「選んでもらおう」という気持ちでしたが、学校への転職活動は「どの学校が自分に合うだろうか」という目線で行うことができたのが良かったですね。
私自身が中高一貫男子校に通っていたので、何年経ってもお世話になった先生がいてくれる安心感や卒業生のつながりの深さなど、変わらないものがある良さを感じていたので、私学で働きたいと思って探していました。共学も応募はしましたが、やはり男子校の方が自分の経験からピンとくるところもあり、男子校だといいなと思っていましたね。

――学校選びのポイントはどんなところでしたか。

平先生 企業での就職活動は、採用のプロである人事部門の人たちが主に担当しますし、面接でも管理職や社長などある程度人を選ぶのに慣れた人たちが出てきます。しかし、学校の採用面接は、まさに現場の先生方が担当します。例えば、私のときは数学の担当教員10人程度が目の前にズラッと並んで面接ということもありました。おかげで学校の雰囲気や一緒に働くことになるであろう先生方の様子もその場でわかります。
学校を訪れた際に生徒の雰囲気もとてもよく、一緒に働きたいと思える先生方がいた獨協学園にご縁があり、まずは非常勤で働き始めました。2年間働いた後に書類、筆記試験、模擬授業、面接、管理職面接などを経て、専任教師になり、9年目です。

 

個人の裁量が大きく、生徒や保護者の力になれるのがやりがい

――現在はどのようなお仕事を担当し、どのようなスケジュールで働いていますか。

平先生 高3の担任(2023年度)以外に、中2と高3の数学の授業、バスケ部の顧問、入試広報、進路指導部の仕事をしています。担任学年だけでなく中学生も授業で教えられるのは、私にとっても幅広い生徒と触れ合い、学びになっています。
だいたい朝は6時半に起床し、8時前に出勤します。その日の授業予習などをして、8時20分から教職員全体の連絡共有と、その学年毎の連絡共有。教室に行って、8時30分からのHRの後は6時間目まで授業が続きます。1、2時間の空き時間には授業の準備をしていることが多いですね。
3時過ぎに授業が終わってからは、帰りのHRや掃除を済ませて週3日はバスケ部の指導をします。獨協では生徒は6時完全下校、教師も7時完全下校なので、私もそれまでには帰ります。

――教師として働くやりがいはどんなところですか。

平先生 銀行員の時は、会社として決まっていることも多く個人の裁量は少なかったのですが、教師は授業の進め方や生徒の対応を含め、個人の裁量がとても大きいです。
その一方で責任も重く、現在は高3の担任なので進路相談に乗ったり、保護者と連絡を取ったり、部活動を見たりと授業以外でもやるべきことはたくさんあります。ただ、私はそれをやりがいと感じますし、そうして自分のことを信頼して頼ってもらえることを嬉しく思っています。

――学校以外の現場で働いた経験は、どのように生きていると思いますか。

平先生 学校以外の外の世界を経験していることで、俯瞰的に見ることができていると思います。点数や成績だけでなく、社会に出て通用することなのか、という視点で生徒たちと話をしたり、成長を考えたりできる気がします。

 

教師だからと一括りにせず、自分に合った職場選びを

――これから教師になりたいという人へのアドバイスをお願いします。

平先生 「先生は仕事が多く、公私の境がなくて大変」というイメージを持たれますが、一概にそうとはいえません。学校によって大事にしていることも方針も異なりますし、特に私学は学校毎の差が大きいので、自分に合った学校で働けるとやりがいも上がると思います。
例えば、獨協は遅くまで残ることもなく、とても働きやすい環境と言えます。また、教師が学び続けることを推奨する風土があり、研究図書費が支給されるので数学以外の本もたくさん読んで広く学ぶようにしています。
先生というくくりで決めつけてしまわず、自分の目で確認して自分に合った学校や働き方ができると思いますし、私学だとなおさらそうした選択ができると思います。

#プロフィール
平 夏樹(ひら なつき)
学習院大学理学部数学科卒業。新卒で金融機関に就職し、1年弱営業や窓口などを担当。退職後、工学院の教職特別課程(現在は募集停止)で1年学び、教員免許を取得し、獨協中学校・獨協高等学校の非常勤講師として2年勤務。その後、専任教員となり現在に至る。趣味は読書。
#学校INFO
獨協中学校・獨協高等学校
男子校・中高一貫校・高校募集なし
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