「教師に向いている人は?」ということを考えていたら…
記事更新日 2024.09.30

「教師に向いている人は?」ということを考えていたら…

公立学校の教員採用試験の結果が、多くの自治体で9月末に出ました。見事、合格され、これから教職に歩みだそうとする方も、涙を呑み、ここからの進路について再考される方も、いらっしゃるでしょう。

私学であれば、採用時期は学校によって様々ですので、チャレンジしてみるのも一考です。私学で働くことや、私学の先生については、過去のコラムでも取り上げているので参考にしていただければと思います。

今回は、キャリアの岐路に際して「そもそも自分って、教師に向いているのかな?」と考えることもあると思いますので、私が思う教師に向いている人の傾向をお伝えします。これはあくまでも、私の個人的な意見ですので、皆さんのお考えと比べてもらえればと思います。

 

① 切り替えが速い

教師には切り替えの速さが求められます。仕事が広範囲に渡るので、場面に応じて様々に頭を切り替える必要があるのです。一括りに指導と言っても、学習指導以外に生活指導もありますし、専門性を求められる進路指導や特性に応じた発達支援などもあるでしょう。

また、経験を積むと、校務分掌の長を任されることも多くなり、そこでのマネジメントも大切な仕事となります。「子どもとずっと過ごしたい」という方もいますが、そのための学校づくりもあなたの仕事になってくるのです。このように多岐に渡る仕事をこなしていく思考の切り替えの速さが求められます。

また、重要なのは、メンタルの切り替えです。人間相手の仕事であり、短期的な変化よりも長期的な変化を見ていかなくてはならないこともあります。辛抱強さを求められる中で、うまくいかずに落ち込むことも、時には苛立つこともあるでしょう。逆に、とても感動し、心が震えることもあります。そんな状況でも、すぐに次の場面は始まり、そこにチャレンジしていかなくてはなりません。そのための素早い気持ちの切り替えが求められます。

 

② 子どもを愛することができる

急に、青臭い話になったと思われるかもしれませんが、これにも理由があります。

教師の役割は時代と共に変わっています。これからの時代を見すえれば、専門的な知識をアウトプットするだけの教師ではなく、子どもたちの自己指導力を支えたり、ファシリテートしたりする教師が求められています。その際に、自分の専門分野だけを一方的に伝えればいい、という講義スタイルは通用しなくなるでしょう。

ここで必要になってくるのは、子どもに興味を持ち、全人的な成長を支えようとする考え方です。それを実現する上で合理的なのは、子どもを愛する、ということだと考えています。もちろん、盲目的な猫かわいがりではなく、人間として愛を持って接するという意味です。

 

③ 偏らないように努めている

物事に偏ると、そこに対してのメリットは大きくなりますが、その分、デメリットも大きくなります。
例えば「オリンピック選手にするために、1日10時間は練習させる」という教育は、確かにスポーツの力は上がるかもしれませんが、明らかに偏っていて、将来の成長を考えるとデメリットも多大でしょう。

偏らないためには、物事の端と端を見極め、中庸を取ることが大切になります。そのためには、逆説的ではありますが、端がどこなのか知るための知識や行動力、視点が必要です。多くの理論に興味を持ち、実際に実践の場に足を運んでみる中で、メタ認知的な視点を発揮して、自分の教育を中庸に置くように努められる人は、教師に向いているでしょう。

少し小難しく書いてしまったので、ハードルを上げてしまった感じもしますが、要はバランスを取ることを忘れないことが大切だということです。

 

いかがでしたでしょうか。

これを書いていて気がついたことは、これは「教師に向いている人の傾向」ではなく、「私の信念」でした。これをお読みいただいている方も、「上記の考えと違う!」と思われる項目がありましたら、それがあなたの教職に対する信念かもしれません。ぜひ、それを大切にしていただきたいです。

(作成:お仕事ジャーナル編集部A)

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