教師としてのキャリアを輝かせるためには
サッカー日本代表である久保建英選手は、自身を輝かせるために3つのことを意識しているそうです。
これは、先生方のキャリアを考える意味でも、これからの未来を切り拓く子どもたちの成長を支える意味でもヒントになると思いますので、紹介します。
確かな技術を持つ
まず、「確かな技術を持つ」については、当然のことではありますが、技術を高める方法が重要になります。一番速いとされる方法は「トップから学ぶ」ということです。久保選手も、世界で最も優れたクラブの一つであるバルセロナのアカデミーで、常にトップ選手からの学びを得ていました。
教師であれば、例えば国立大学附属の学校の研究会に参加してみるのは一考かもしれません。国の先端を行く教育のトップランナーの生の授業や、研究討議を体感することで、技術だけでなく、教育に対するモチベーションを得ることができるでしょう。
また、私学ではそれぞれの独自性を生かして、「尖った実践」をしている学校があります。研究会を行なっている学校もありますし、最近だとSNSで発信をしている先生も多くなっています。思い切ってメッセージを送ってみると、また別のつながりができることがあります。教育の変革のスピードは日毎に増していますので、常に最新の動向をつかんでおきたいところです。
適切な目標設定をする
「適切な目標設定をする」については、漠然とした目標を設定するだけではなく、大中小の目標を設定しその意味を理解しておくことが大切です。久保選手であれば、FCバルセロナに入団するという大目標に対して、キャンプでMVPを得ることを中期目標とし、1日1日の練習では成長や喜びにフォーカスした目標を立てていたそうです。大目標をゴールとしながら、現実的に届くものを中期目標とし、日々の「進んでいる感」を感じ取れることを短期目標とすることが必要です。
教師に置き換えるならば、例えば、「教師を志した当初の思い」を大目標とし、データを活用しながら学期ごとの子どもたちの変化を中期目標として定め、子どもたちの日々の変化や授業の楽しさにフォーカスした日常の目標を意識していくということが考えられます。
ここで重要なのは、同じような毎日を繰り返すのではなく、自分がどこにいるのか、どれくらい進めているのかを、把握しようとし、また実感することに努めることです。そうすることで、自分の成長や仕事へのやりがいは大きく変わってきます。
環境を変えることをためらわない
最後の「環境を変えることをためらわない」は、環境を変えることをためらわないということです。久保選手は鳴り物入りで加入したFC東京で出場機会が得られなかったことで、すぐに横浜F・マリノスに移籍を決断しています。また再度スペインに渡った後もいくつかのチームを渡り歩きました。これは「結果的にそうなった」のではなく、「意識的に行なっている」と久保選手は話しています。「確かな技術を持つ」や「適切な目標設定をする」が充実していても、チームの方針によっては、自分の良さが生きないこともあります。環境が変われば、結果が大きく変わることがあるのです。
教師は、例えば公立の学校で自分の力をうまく発揮できていないということがあれば、私学に移ってみることが良い選択となる場合もあります。私も、私学に移ったことで、授業研究をしたり本を書いたりすることが当たり前の環境となり、教育へのアプローチが大きく変わりました。考えなしにコロコロと環境を変えることは考えものですが、「確かな技術を持つ」や「適切な目標設定をする」を日々丁寧に行い、自分の素地を耕した上での決断なら良い結果につながることは多いでしょう。
この文章を読まれたことをきっかけとして、自身のキャリアについても考える機会を取っていただければと思っています。あなた自身のキャリアを輝かせ、力強く未来を生きる子どもたちを育てていただければ幸いです。
(作成:お仕事ジャーナル編集部A)