私学で働くデメリットから、裏返しのメリットを考えてみた!
記事更新日 2024.06.30

私学で働くデメリットから、裏返しのメリットを考えてみた!

教員として働くことを希望する場合に、「私立なのか、公立なのか」という選択を最初にしなくてはなりません。どちらを選んでも、子どもに対して教育活動を行うことには変わりはありませんが、それを取り巻く環境にはそれぞれ特徴があります。

今回は、あえて私学で働くデメリットを挙げてみたいと思います。ただ、どんな事柄もそうですが、デメリットの裏返しには同じだけのメリットがあります。「その『デメリットからのメリット』に親和性を持つ人にとって、私学は良い選択肢になる」という話をしていきたいと思います。

異動がないこと

<私学には異動がない> → <教育活動を突き詰めることができる>
基本的に私学に勤めることになると、その学校の中のみで働くことになります。一部、系列校や提携校と人事交流を行っている例はありますが、公立学校のように「○年経ったら、希望の有無に関わらず別の学校に行く」というような活発なものはほとんどありません。ですから、職員室にいるメンバーの顔ぶれが大きく変わることは多くないでしょう。

ただ、裏を返せば、その学校にじっくりと腰を据え教育活動を展開できるメリットがある、とも言えます。公立学校では、どんなに良い教育活動を行っていても、そのリーダーが異動してしまうと途端にその活動が廃れる(或いは、お荷物のようになってしまう)ことは多いです。また、管理職が変わることによって学校の教育方針や雰囲気が一転することも珍しくありません。

私学では、そのような状況の変化は少ないと言え、長期的な計画のもと落ち着いて教育活動を行いたい人に向いています。他にも、異動がないので、居住地を決めやすいこともメリットとなります。

 

人間関係が固定しがちなこと

<人間関係が固定しがち> → <より濃い関係を築くことができる>
上記に挙げたことにも関連が深いのですが、異動がないことでのメンバーの固定化で関係がこじれても離れられないということがあります。また、保護者も同質性を求めることがあります。

当然、これについても裏表で、仲が悪くなる人もいるかもしれませんが、生涯の同志と呼べる人や尊敬できる先輩と深い関係を築くことのできる可能性も大いにあります。保護者についても、前提として学校の教育理念について共感をして集まっています。ですから、自分と学校の理念に親和性があれば、自分と相性の良い保護者とも多く出会えると言えるでしょう。また高い学費の対価として要求が高いと考えることもできますが、それだけ教育に関心を持っている(少なくとも無関心ではない)と考えることもできます。

 

専任採用でない場合があること

<専任採用でない場合がある> → <その私学で幸せに働けるか判断できる>
未だ少なくない私学が、最初は専任採用(正規採用)ではなく、1~2年の講師採用(期限つき採用)を経て専任採用に切り替わる方法をとっています。これは、採用試験に合格すれば即正規採用される公立との大きな違いとなります。数年後にこの学校にいることができるのか、心配しながら勤務しなければならないのはデメリットと言えます。

しかし、こちらも裏を返せば、「期限を切って、その学校にコミットできるか判断できるシステム」の一つと考えることができます。私学では上記の通り、異動があまりないので、良くも悪くも独特の文化があります。また、それは実際にその学校で働かないと自分に合っているのか分からないことが多いです。

仮に、一生懸命働いたけれど、数年後に学校から「合わなかったので、専任採用しない」と言われたとします。とても悔しいですが、そのような学校でこれからも働くことは、自分としてもあまりプラスにはならないと考えられます。逆に自分も学校も納得して「専任採用に切り替える」となれば、良い職場に巡り合えたと判断することができるでしょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。他にも<募集広報など教育活動以外の仕事もある> → <幅広い自身のキャリアを形成できる>など、裏返しのメリットとして考えられることは多くあります。私立学校と公立学校で、メリットと「デメリットから裏返したメリット」をまとめてみると、どちらで働くことで自身のウェルビーイングに繋がるのか考えやすくなるでしょう。

(作成:お仕事ジャーナル編集部A)

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