おすすめの私立学校紹介「鷗友学園女子中学高等学校」
記事更新日 2024.04.15

おすすめの私立学校紹介「鷗友学園女子中学高等学校」

「働く」という観点での私学の魅力や、人材育成についてお話を聞かせていただくコーナーです。
今回は、鷗友学園女子中学高等学校の大井正智校長にお話を伺いました。

「幕の内弁当」のような教育を実践

──貴校ではどのような教育を大切にしているのでしょうか。

大井校長 鷗友学園では「主要5教科」という言葉を使いません。鷗友の教育は「幕の内弁当」のようなもの。ひとつひとつの食材がおいしくて栄養があり、あたたかい。そんな教育を目指しています。
ですから、創立以来続く畑での授業や体育のリトミックも、国語や数学、英語と同じくらい大切に考えています。もちろん、修学旅行のような学校行事も生徒の成長に欠かせない重要です。

鷗友学園の畑での収穫の様子

── そういう環境で、どのような生徒たちが学んでいるのでしょうか。

大井校長 生徒は先生も友だちも大好きで、学校も大好きという子が多いですね。ある生徒は「鷗友では一生懸命努力しても周りが引かないから、全力で頑張れるのがうれしい」ということを言っていました。今は小学校の合唱コンクールでも声を出して一生懸命歌うのが恥ずかしいと、口パクだったりするそうです。しかし、鷗友ではみんなが大きな声で精一杯歌うのが当たり前です。それがうれしいと素直に感じられる生徒たちばかりです。

大井校長主催での中1対象の誕生日会の様子。生徒から中学生生活の話を直接聞く大切な時間となっている。

 

誰かの笑顔を大切にする鷗友スピリット

──学校の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。

大井校長 鷗友らしさという点でいうと、生徒や教員だけでなく事務の職員にまで鷗友スピリットが浸透しています。ある事務員が、受験の合格発表の際に掲示した合格番号を指して写真がとれるようにと、先端に桜の造花をつけたオリジナルの指差し棒を作ってくれました。「合格の喜びに桜の指差し棒でもうひとつ笑顔を加えてもらえたら」と考えたそうです。
これこそまさに鷗友スピリッツです。鷗友の校訓は「慈愛(あい)と誠実(まこと)と創造」ですが、それは最初から全部備わっているわけではありません。しかし、その3つを持とうと頑張ることに意味があるのです。桜の指示棒を持って笑顔になる誰かのことを想像して、それを作ろうと思う気持ち。そういうさものが、学校全体にしっかりと根づいています。

合格発表を楽しみに来校された受験生に向けて、事務職員の方が思いを込めて作られた桜の指示棒

 

主役は生徒。教員は楽しく学べるサポートを

──貴校の先生方はどのような方たちでしょうか。

大井校長 女子校ということもあり、女性の教員の数が若干多めになっていて、女性6:男性4の割合です。教員同士が協力し合う雰囲気が強いのが特徴ですね。例えば、探究の授業では、全く違う教科の教員同士が協力し、新しい授業を組み立てたりしています。数学と理科で環境をテーマにしたり、地理と英語で英語の地理の授業を行ったり。お互いが協力することで、新しいことに挑戦しようという空気があります。
また、鷗友の教員は、生徒たちが楽しんで学ぶことをしっかりサポートしたいという気持ちが強いのも特徴です。学びの主役はあくまでも生徒。どうしたら楽しく学ぶことをサポートできるのか、いつも考えているのです。コロナ禍のオンライン授業でも、土とラディッシュの種をセットにした栽培キットを生徒全員に送って、なんとか学びの楽しさを体験させようとしていました。

──社会人経験のある先生方もいらっしゃいますか。

大井校長 鷗友でも社会人経験のある教員が活躍してくれています。中途採用で面接をしていても、社会人からあえて教職を目指そうという人は、「教員になりたい」というマグマのような熱い想いを感じます。そういう情熱ややる気には、おおいに期待したいところです。社会人経験者の魅力は、さまざまな経験をすることで、その分人間的にもスキル的にも深みがあることです。経験は多ければ多いほどいい。教員としても人間としても成長します。我々が気づかないことを教えてくれるので、その点でも学校にエネルギーを与えてくれる存在です。
そもそも教える経験というのは、学校や塾でなくても、いろいろな場であります。企業でリーダーが部下を育てるのも、教えることのひとつです。そういうコミュニケーションの経験からも、生徒たちに伝えられることがたくさんあると思います。

 

働きやすい職場環境を促進、生徒が魅力を感じる授業へ

──採用プロセスはどのようになっているのでしょうか。

大井校長 採用プロセスは教科や専任講師か非常勤講師かなどによっても違います。基本は筆記テスト、面談、専任の場合は15分程度の模擬授業を行ってもらいます。模擬授業については、経験値がある講師経験者とそうではない人を比べるのも、なかなか難しいところです。そこは面談で補いながら、人柄やモチベーションをみていくようにしています。

──働きやすい職場の環境づくりについてはどのような取り組みをされているのでしょうか。

大井校長 採用人数はその年によってバラバラですが、少しずつ教員の数を増やしています。現在、専任の教員は72〜75名ほど。男女の差がなく産休や育休を取ることを推奨するためにも、働き方改革を進めて教員の負担を減らすことが大事ですから、今後も人数を調整しながら、働きやすい環境づくりを進めていくつもりです。

 

学校全体でチームとして生徒を見守る

──貴校が求める教員の人物像を教えてください。

大井校長 「なぜ鷗友で教えたいのか、がはっきりしていることが大事です。生徒でも、東大にさえ入れればいいという子は本校には合いません。勉強もクラブも行事もがんばりたいと、いろいろなことに興味を持ってやれる子たちが伸びていく学校です。教員もそれと同じことがいえます。なぜ鷗友で教員になりたいのか。そこがしっかりないと、生徒に向き合うこともできません。

──校長先生が面接で必ず聞くことはありますか。

大井校長 私が面接でよくするのは、「生徒から『絶対に他の人に言わないでほしい』と相談ごとをされたらどうしますか?」という質問です。しかし、そこで生徒の言う通り「誰にも言わない」という選択は、鷗友の方針とは違います。鷗友が大事にしているのは、学校全体で生徒を見守ること、チームとして生徒に向き合うことです。これは女子校だからということもあるでしょう。ですから、たとえ「誰にも言わないでほしい」と頼まれても、「ごめんね、これはほかの先生とも共有しないといけないことなんだ」と伝えられること。そういうチームで教育することの大切さを理解できる人材かどうかは、大切にしていますね。

──研修など人材育成についても教えていただけますか。

大井校長 1年目の教員は持ち時間を減らして、授業を見学する機会をもつようにしています。あとは外部の新人研修にも積極的に参加してもらっています。外部研修では他校の先生とも積極的に交流して、いろいろな刺激や発見を得てほしいと思っています。

 

成功に甘んじず、さらなる進化へと歩み続ける

──最後に教員を目指す人にメッセージをお願いします。

大井校長 10代という人間的に大きく成長する6年間に、教員として伴走することほど充実感を感じることはありません。誰でも、目をつぶったときに脳裏に浮かぶ先生がひとりやふたりいるはずです。それほど人の人生に大きな影響を与える存在でいられるということは、このうえないやりがいだと思います。ぜひ「教壇に立って誰かを教えたい」という想いを教員になることで実現してください。

#プロフィール
大井 正智 (おおい まさとし)
鷗友学園女子中学高等学校 校長(2024年3月取材時現在)
#学校INFO
鷗友学園女子中学高等学校
女子校・中高一貫校・高校募集なし
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